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ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.47

渡部寿子さん
ケアプラン結
介護支援専門員、主任介護支援専門員、介護福祉士、管理者

 

高齢者や障碍者との触れ合いが、福祉の道を目指すきっかけに

 

 

 子どもの頃は3世代家族で、祖父母と一緒に生活していたんです。また、近所づきあいが盛んな地域で、周りのおじいちゃんおばあちゃんがよく家に来ていて、可愛がってもらっていました。そんなこともあり、人と交流するのが好きで、高校時代にはボランティアにも積極的に参加しました。そして障碍者の方たちと交流を持つ中で、福祉の仕事に就きたいなという思いが強くなり、福祉系の専門学校に進学したんです。
 実習では老健に赴いたのですが、職員の方にとてもよくしてもらい、実習後もボランティアで通っていたら、「うちに来ないか」と声をかけてもらえて、卒業後に入所・通所の介護職員として採用されました。
 平成18年にケアマネジャーの資格を取得して、併設の居宅に異動し、ケアマネとして働き始めました。その後、関わりの深い業者さんから声をかけていただき、平成30年8月に居宅事業所を開設したんです。そして、その事業所が去年12月31日で休止し、今年1月に新規開設の居宅にご縁があり、勤務させていただくことになりました。やりたいことを妥協せず、自分らしく自分の理想とする働き方をさせてもらっています。

 

 

感情を共有し、相手に寄りそうことを一番に意識

 

 

 この仕事をしている中で一番大事にしているのは、相手にきちんと寄りそうことです。しっかりお話を聞くというのは大前提で、それだけではなく喜怒哀楽を共有する、ということを心がけています。イライラしていたら一緒に怒ったり、悲しいときは一緒に泣いたりすることで、利用者の方だけでなくご家族ともグッと距離が近くなるように思います。
 あとは、やはり利用者のための支援なので、自分のための仕事ではなく、相手が求めているものや必要なものを何よりも優先して、対応することをつねに心がけています。
 そしてしっかり時間をかけて、利用者の方やそのご家族との信頼関係を構築することも意識しています。正直、大きな事業所だと、訪問時間を短くするよう指示されることもあるんです。でも、今は1時間から2時間、たっぷり時間をかけられるので相手に合わせられますし、自分らしく仕事ができると感じています。
 もちろん、長時間になる分、元気を吸い取られてヘトヘトになることもありますが(笑)、全部がそうではないですし、「今日はちょっと頑張らなくちゃ」というときは事前に気合いを入れて、モチベーションを上げて行くようにしています。
 そして、毎日リセットして心を整えることも意識しています。私の場合、無心に何かに打ち込むというのがいいリセット法になっていますね。手作業が好きで小物なども作るのですが、今回新しい事業所を立ち上げるにあたって、お世話になった方に水引細工をキーホルダーなどにして差し上げたんですよ。

 

 

利用者の方が穏やかに過ごせるようになることが大きなやりがいに

 

 

 ケアマネは、利用者の方の人生がだんだん終わりに近づいていくところに介入する仕事なので、やはりやりがいがあります。また、支援を続ける中で「ありがとう」「助かるよ」といった言葉をかけてもらえたり、利用者の方が穏やかな時間を過ごしていると感じられたりすると、本当によかったなと感じます。
 また、家族関係がギクシャクしている方なら、「○○してもらえてありがたいよね~」といった声をかけ、感謝の言葉を引き出して、ご家族に聞いていただくようにもしています。その一言でギスギスした空気が一変することもありますし、雰囲気作りにも気をつけています。その結果、家族みんなで穏やかに最期を迎えられる支援をしていければ理想的ですね。
 ただ、仕事を前の事業所から引き継いでいて、時間がかかるケースも多く、書類の処理が間に合わず、山積みになっているのが悩みですが、誰かに迷惑をかけるようなことにならないように頑張っています。

 

 

料理はおいしいお米と野菜をふんだんに使い、手作りするのが基本

 

 

 数年前に長女が嫁ぎ、今は夫と高校生の娘との3人暮らしです。本来は土日祝日が休みなのですが、今は土曜日の休日返上で仕事をしていることが多いです。日曜は家でぼーっとしたり、神社や公園など緑の多いところに出かけて、心をしっかりリセットしています。美術館など静かなところに行くのも好きですね。
 ストレス解消法は、先ほどもお話ししましたが小物を作ったり、あとは好きな植物を眺めてぼーっとしたりすることですね。甘いものを食べるのも気分転換になるので、デスクの中にはチョコレートなどを常備しています。最近は、休日に時間ができると長女の家へ遊びに行って、一昨年産まれた孫の顔を見るのが楽しみです。
 テンションを上げたいときや、集中したいときなどは今流行っている音楽を流すこともあります。車で移動中に聞くときもありますよ。逆に、テンションが落ちているときには、菅田将暉さんの曲で癒されています。
 「食」に対してのこだわりは、実家で作っているお米や野菜をふんだんに使った料理を3食しっかり食べる、ということですね。やはり季節の野菜はおいしさが違います。朝ごはんから白米をしっかり食べて、昼は高校生の娘の分と一緒に作ったお弁当を持参しているんですよ。
 また、健康維持というか体型維持のために(笑)、寝る前にYouTubeを見ながら体を少し動かすようにしています。軽く踊って冷たいビールを飲めば、気分もスッキリするので一石二鳥です!

 

 

地域の中での連携づくりが目標。そしてみんなとハッピーを目指したい

 

 

 ここ2年は、困難なケースの相談が続いているので、受け皿が少ないのかなと感じているんです。なので、いろいろ勉強しつつ、将来はケアマネを増員し、そういったケースも積極的に受け入れられる事業所になっていければいいかなと思っています。
 あと、どうしても事業所の中だと狭い視野になりやすいので、仲良しのケアマネさんと情報交換したり、何かあったときにすぐ相談したりできるよう、地域の中での連携づくりを大切にして、一緒に成長できればいいなとも思っています。
 これからケアマネを目指す方や、始めたばかりの方には、「人が好き」という思いを大切にして、先入観を持たずに仕事をしてほしいです。先入観があるとどうしても身構えて、心を通わせるのが難しくなり、適切な支援ができなくなってしまうので。とくに最近は介護業界で問題が色々とあり、マイナスのレッテルを貼られることが多くなっていますが、利用者の方をきちんと見て仕事をすれば、お互いに満足の行く支援ができて、自分のストレスも軽減するはずです。私自身、他の事業所でトラブルになった方を担当することも多いのですが、相手をよく見て対応すると、うまくいくことがほとんどですし。
 そして、職場でもプライベートでも、自分だけではなく周りの人と楽しく、みんなでハッピーを目指して「お互い様」の人生を送っていきたいですね。

 

所属先:株式会社グリーンケアブリッジ