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ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.45

西脇利恵さん
介護支援専門員(ケアマネジャー)、主任介護支援専門員、介護福祉士、管理者
株式会社Nハートネットワーク 代表取締役

2019年、vol.7&8でご紹介した西脇さんに再びインタビューを行い、その後の活動をお伺いしました。


当時目標だった認知症対応型のデイサービスを2020年にオープン

 

 

 前回の取材時に、「5年間認知症ケアを学んできたことを活かして、認知症対応型の施設を作りたい」とお話したのですが、それから約1年後の2020年9月に、認知症対応型通所介護「デイサービスももいろはーと」をオープンしました。施設名のももいろはーとは花弁にハート模様が入るペチュニア科のももいろハートという花が由来です。ペチュニア科の花言葉が「あなたと一緒なら心が和らぐ」「心のやすらぎ」、ももいろハートの花言葉が「咲きたての笑顔」ということから名づけました。
 デイサービスをオープンするにあたって、まず大変だったのが物件探しでした。当初は庭つきで宿泊できる一軒家を希望してたんですが、なかなか見つからなくて。そのうちに、2つのデイサービスを運営していた知人が、「1つに統合するので、空いた施設を使っていいよ」と言ってくれて、居抜きで入れたんです。しかも、ほとんどのものを残してくれた上に、仲間や利用者さんのご家族が食器などをくれたのでとても助かりました。
 物件探しの次は、スタッフがなかなか集まらず、さらにはコロナ禍でのオープンとなったのでかなり大変でしたが、当時札幌市中央区で認知症対応型のデイサービスがほとんどなかったので頑張りました。

 

 

スタッフとイベントを楽しむことが認知症の方にとっていい刺激に

 

 

 今(2022年12月)もこの地域では、認知症対応型のデイサービスが3カ所しかなく、デイサービスももいろはーとは月曜から土曜まで1日12名の定員がほぼ満員です。最近は利用者さんのご家族がネットで調べて、連絡してくるケースもありますね。また、月1~2回はイベントを行っていて、つい先日は室内の釣り堀に行きましたし、12月はフラワーアレンジメントをやりました。自由にお花をアレンジしてもらったら、同じ花を使っていても全員まったく違うアレンジメントになっていて、認知症の方達の独創力を目の当たりにしました。
 ほかにも、元オリンピック選手の竹内由佳さんとご縁があり、定期的に「ゆるゆら体操」の教室を開いています。やはりプロに教えてもらえているからか、皆さん集中して真剣に参加されてます。こういった体験が利用者さんの方にとって刺激になり、「できた」ということが成功体験にもつながりますし、その結果をスタッフが嬉しそうに私に報告してくれたときにやりがいを感じますね。
 イベントをプランニングする際は、利用者さんの方がやりたいと思えるというだけでなく、スタッフも一緒に楽しめることが重要です。

 

 

休みはほぼなく忙しい日々。おいしいものを食べるのがストレス解消法

 

 

 居宅介護支援事業所の方は、前回の取材当時私1人だったケアマネが今は4人になり、私は管理者も兼ねています。そのほかにも介護アドバイザーとして地域でのマルシェに参加したり、家族の会に参加したりして、交流の場を広げています。
 イベントなどを日曜に開催することもあり、休みはほとんど取れていないですね。体を休めるのも仕事のうちで、大事というのはわかっているものの、イベントなどを日曜に開催することもあり、休みはほとんど取れていないですね。ときどき仕事量の多さに、私が5人ぐらいほしくなることも多々あります。そうやって忙しい毎日を過ごしてるので、おいしいものを食べてストレスを解消していて、「甘いものが食べたい!」と思ったら、すぐ買いに行ってしまいます。ただ、朝食は牛乳だけ、夕飯がお菓子だけなんて日もあり、デイサービスでスタッフが作ってくれる昼食が主な栄養源になっています(笑)。
 あと、1週間に一度行けるかどうかですが、女性専用フィットネスクラブのカーブスに通い始めました。意識して体を動かすと気持ちいいですし、行っただけでも「よく来ましたね~!」と褒めてもらえるのが嬉しくて(笑)。また、運動するようになったからか水をたくさん飲めるようになり、お通じがよくなるなど健康にいい影響が出ています。
 ただ今年の1月、要介護の義父との同居が始まった際に本当に大変で、生活リズムも変わったこともあり体を壊してしまったんです。今は要介護者を抱える家族の体験談として話せるようになったので、それはそれでよかったなと思っています。

 

 

今後は認知症型シェアハウスをつくるのが大きな目標

 

 

  現在、世の中はコロナ禍で、通常業務のほかにコロナの予防対策などで、仕事量はどんどん増えています。それに比例してスタッフのストレスも増え続け、それでいてスタッフは増えないといった悪循環が、現場での虐待などにつながっているのかなと心を痛めています。また、ICT化を進めるといっても、必要な書類は増えていて全然楽にならず、しかも業務量が多すぎて介護の時間がとれないという本末転倒な状況にもなっていて、こうした構造的な問題を解消していかないとダメだな、と感じています。
 そして私自身は、認知症ケアを含め介護の知識や情報を常にアップデートしないといけないのに、なかなか勉強する時間が取れないというのが悩みの種です。最近はzoomで実施される研修などにできるだけ参加するようにしていますが、勉強はしっかり続けていかないと、と思っています。
 今後の目標については、認知症の方たちのシェアハウスか住宅を作りたいと思っています。そして、これまで地域のイベントなどに顔を出して、色々な人たちとのつながりができたので、今後もネットワーク作りを大切にしていきたいです。

 

所属先:ケアプランすりーえいち、デイサービスももいろはーと