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ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.36

根本清美さん
介護支援専門員(ケアマネジャー)、主任ケアマネ、介護福祉士、管理者

お年寄りや福祉が身近だったことから自然とこの道へ

 

 

 私はいわゆる「おばあちゃんっ子」で、子供の頃からお年寄りと一緒に過ごすのが普通でした。また、母のすすめで子どもの頃から手話サークルに参加し、老人ホームなどへの慰問などもしていて、福祉や介護の世界が身近にあった、というのも、この道に進むきっかけになったようにと思います。
 高校卒業後も、自然と福祉系の専門学校に進学しました。当初は障害者福祉に興味があったのですが、先生から「障害者福祉は難しいので、まず高齢者福祉から経験した方がいい」とすすめられ、在学中に介護福祉の資格を取得して、老健の介護職として働き始めました。
 老健での仕事自体は毎日楽しかったのですが、大勢の高齢者の方を少人数のスタッフで担当する従来型の介護だったので、「個別の介護がなぜできないのか」と疑問に思い始めるようになりました。その気持ちはどんどん強くなり、5年ほど働いた後に、福祉先進国で学んでみたいと一念発起して、ボランティアビザを取得し、イギリスの老人ホームで1年過ごしました。

 

 

日本との違いに愕然としながら、多くを学んで帰国

 

 

 ボランティア先の老人ホームでは、全入居者を個別に介護するので、入浴の時間も制限はなく、好きな時に本人の好きな事、やりたいことをケアしているといった印象でした。そもそも、「個別ケア」という概念がないのでしょう。
 それに、わたしが働いていたホームは22人の入居者に対して、スタッフが日中だと13〜14人ほど、夜間でも8~9人が常駐していて、働く側もゆとりがあり、ゆっくりとした気持ちで丁寧にケアをしていました。こんなにも入居者の生活、ケアをする側の体制などに違いがあることに衝撃をうけたんです。
 実を言うと、「介護は心だから、英語ができなくても大丈夫!」と粋がって、英語がほとんど話せないまま渡英したんですが、やはり言葉の壁は厚くて仕事がうまくいかず、介護の仕事をやめようと思ったほどでした。ただ、言葉が通じない分、手振りや身振りをしっかり見るようになり、傾聴の姿勢を学ぶことができました。
 そして帰国後は、やはり「私にはこの仕事しかない」と強く思うようになり、老健で勤め始め、その後結婚を機に現在勤務している居宅併設の老健に介護職として転職しました。そうして長い間老健に勤務してきましたが、在宅復帰する方はほとんどおらず、どうしたら少しでも在宅で暮らせるのか?どのような状態であれば家で暮らせるのか?どんな支援が必要なのか?と常々考えており、「それなら在宅介護を実際やってみよう」と居宅ケアマネを開始しました。

 

 

つねに傾聴を心がけ、「ありがとう」の言葉にやりがいを実感

 

 

 ボランティアでの経験はこの仕事をする上で、とても役に立っています。とくに相手の話を聞くときは、ただ単に「そうね、そうだね」と聞くだけではなく、相手が何を求めているのか、本当にそう感じているのか?本人の真のニーズは何なのかを言葉や表情など、あらゆる角度から傾聴し、理解するように努めています。そのため、利用者の方からは「話を聞いてくれる人だ」と認識してもらえているようですし、おかげで信頼関係も築けているかな、と思っています。
 なので、おしゃべり好きな方とは話が長くなりすぎて、仕事が回らなくなることもあるのですが(笑)、「お昼になっちゃったね、ごめんね〜またくるね~」とか、「結構時間たっちゃったけど、洗濯物干してない?」といった声をかけて、うまく切り上げるようにしています。 
 そして、ケアマネに限らず介護の仕事は、利用者さんや高齢者の方から「ありがとう」「元気になったよ」と言われたり、実際に元気に過ごしているのを見たりするときに、幸せな気持ちややりがいを感じられる仕事だなと痛感しています。

 

 

7人4世代の大家族。料理は時短と“映え”を意識

 

 

 事業所の休日は年末年始のみなので、4名のケアマネでシフトを組み、土日の出勤も月に何度かあります。平日の休みはお店も混んでないのでゆっくり買い物できますし、日曜出勤は外線の電話がすくなく、病院も休みが多いので急なカンファレンスなどで呼ばれることもなく、書類整理などがはかどります。
 休みの日は、子供が小学生と中学生なので、一緒に過ごすことが多いですね。買い物に行ったり、図書館に行ったり、お菓子作りはよくやります。「上手―、可愛い、変な顔になっちゃたー」などおしゃべりしながら楽しんでいます。
 食事については、私と主人、子供2人、そして主人の両親と祖母、7人4世代の大家族なので、やはり料理が大変です。なので、お休みの日は大量の野菜をカットし、ジッパー付きの袋に何袋もストックし、お肉は味付けをし冷凍にして時短になるよう工夫しています。そうすれば、仕事から帰ってきてからでも、ササッと作れるので。あとは、まず子供たちがたくさん食べてくれるように、おいしそうに見える「映え」も意識しています。

 

 

犬の散歩とBTS、そしてお気に入りのお茶でストレス解消!

 

 

 ストレス解消法というのは、とくに自分では意識していないのですが、犬の散歩がそうなのかもしれません。毎日30~40分散歩していますが、同じ道でも毎日景色が変わりますし、自然と心がリフレッシュしている気がします。また、この地域は車社会なので、意識しないと歩かないので、散歩が健康法にもなっていると思います。
 あと、子供とBTSにはまっていて(笑)、歌を聴いたり映像を見たりしながら、筋トレをしています。好きな音楽を聴きながらだと辛い筋トレも「あと1回、あと少し」とはりきっちゃいます。また料理や掃除も楽しくスムーズにすませることができます。心が元気で豊かな気持ちになることが私にとって一番のストレス解消なのかもしれません。
 それから、紅茶やハーブティーが好きで、その日の気分にあわせてお茶を選び、飲みながらゆっくりするとリラックスできますね。なので、1日1度は必ずその時間を持つようにしています。夜中まで時間が取れず、香りをかぐだけで飲まないこともありますが、それだけでも気分が変わりますよ。

 

 

もっと地域をよくして、家族みんなで元気に過ごしていきたい

 

 今後の目標としては、やはりこの地域をよくしたい、というのが一番大きいですね。この地域はケアマネ同士仲が良く、協力しあっているので気軽に相談できますし、困ったときは助けてもらえる関係性が築けているので、みんなで協力して地域構築をしていければいいなと思っています。
 その一環として、この地域は利根川が近いため、定期的に、主任ケアマネで防災についての話し合いもしています。今年度はアドバイザーの方に講話をしてもらいましたし、コロナ禍となってからもオンラインで4~5人集まり、先日は「今年、避難訓練もやってみたいね」といった話をしました。自分もここで一生過ごすことになるでしょうし、老後を安心して過ごすためにも、地域をよくしていかないと、と気を引き締めています。
 プライベートでは、とくに物欲もないですし、旅行に行きたいといった願望もないので、ずっと家族仲良く元気に過ごしていければいいかなと。あとは、将来孫の面倒を見られれば、言うことなしですね。

 

所属先:居宅介護支援事業所 いなしきの郷