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ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.42

佐藤ひとみさん
介護支援専門員(ケアマネジャー)、主任ケアマネ、介護福祉士、管理者、日本認知症ケア専門士

曽祖母に何もしてあげられなかった後悔が、福祉の道への後押しに

 

 

 もともと保育士を目指していたのですが、短大生のとき大好きだったひいおばあちゃんが寝たきりになり、少し認知症も発症してしまったんです。当時は認知症の知識がなかったせいで、なんとなく怖く感じ、距離をとっていた間に亡くなってしまい、「逃げたまま何もしてあげられなかった」というのがずっとひっかかっていました。それがきっかけで高齢者福祉に興味がわき、養護老人ホームに就職したんです。
 短大のときに老人福祉論の授業は取っていたものの、まったくの無資格だったのでやはり不安でいっぱいでしたし、その頃は介護保険がない頃で家族からも反対され、入った後も「幼稚園や保育園の方が合ってるんじゃない?」と職員に言われることもありました。
 ただ、高齢者の方と過ごす時間が楽しく感じられて、続けているうちに今に至るという感じです。また、施設側が「資格を取りなさい」と熱心に言ってくれたので、たくさん勉強も経験もさせてもらえて、介護福祉士とケアマネの資格も取得できました。
 そして介護福祉士として養護老人ホームとデイサービスで計8年勤めた後、子供が小さかったので一度退職したのですが、すぐ専業主婦に飽きてしまって(笑)。早速復職しようと思っていたところ、特養でケアマネをしていた以前の同期から「ケアマネが足りないので手伝ってほしい」と言われ、パートのケアマネとしてスタートしたんです。そこで2年間、ケアマネの仕事を一からみっちり教えてもらいました。
 その後、今の事業所に移り、10年がたちました。今常勤ケアマネは私一人ですが、併設のデイサービスに勤める看護師が去年ケアマネの資格を取ったので兼任してもらっています。

 

 

時間がかかってもご本人と合うサービスを提案するのがモットー

 

 

 ケアマネの仕事は、ご家族と利用者本人との間に入ることで色々な発見がありますし、問題を解決できたときにやりがいを感じますね。また、利用者の方が亡くなったとき、ご家族から感謝の言葉をいただけることも、仕事を続けるモチベーションにつながっていると思います。
 利用者の方やそのご家族と接する際は、なるべく「自分の親だったらどうするか」を考えるようにしています。以前はどちらかというと突っ走っていたように思いますが、「自分がこうされたらどうだろう、これはいやだな」という視点でサービスを提案して、どう反応が返ってくるかを見極めるようにもなりました。例えば、デイサービスなども複数ご紹介しますし、頑なに「こうしたい!」という利用者の方がいたら、自分の意見と違っても一度やってもらって、それでダメなら「こういうのもあるからどうですか?」と一緒に考えていくようにしています。そうするとどうしても時間がかかりますが、「これじゃなきゃダメ」という提案はせず、ご本人との向き不向きで提案し、話し合いの中で解決策を探っていくようにしています。すぐ答えが見つからなくても、初めからガツガツいかないで、長いスパンで考えるということも意識していますね。
 また、自分の経験や「こういう方もいますよ」とお伝えするのもポイントかもしれません。そうすると「うちだけじゃないのね!」と安心してくれることもあるので。ヒアリングにしても、先に全部聞いておくといいとよく言われますが、お金のことやご家族の深い話はもっと先でいいと思っていて、信頼関係を築いてから伺うようにもしています。
 あと、デイサービスで仕事をしていたときは利用者の目線で物事を捉えていましたが、ケアマネになってご家族の目線も知ることができ、俯瞰で物事を見ることができるようになったというのも大きなメリットですね。

 

 

仕事が終わってからのジム通いが一番のストレス解消法

 

 

 主人と、看護師を目指している2人の娘、猫一匹と暮らしています。仕事は土日祝日は基本的に休みなので、買い物に行ったり、仕事仲間たちと出かけたり、何もなければ猫と遊んだりしています。
 ストレス発散法は、仕事終わりのカーブスですね。週に2~3回ほど、10年ぐらい続けているのですが、イライラをマシンにぶつけると無になってストレスも発散でき、スッキリして帰れます(笑)。それが結果的に健康維持にもつながっているのかもしれません。
 あとは、ジャルジャルなど好きな芸人の動画やお笑い番組などを見ながら思いっきり笑ったり、感動的な映画を見て思いっきり泣いたりするのもリフレッシュに役立っています。最近のお気に入り映画はアニメの「リメンバーミー」。何回見ても泣けるので、涙活(るいかつ)にもぴったりですよ。
 食に関しては、コレステロール値が高いこともあり、たっぷりの野菜を先に食べ、たんぱく質を多く摂るために豆腐などの大豆製品を積極的に食べていますが、ときどきは好きなものを思いっきり食べるようにしています(笑)。とくにチーズと、すごく辛いものやすっぱいものなど、パンチのある味のものが好きですね。あとは時々お酒を飲むので、餃子などお酒に合うものを食べるのもストレス発散かな。それと、サジーという果実のジュースをずっと飲んでいるのですが、いろいろといい効果があるのでこれからも続けようと思っています。

 

 

仕事を頑張って、ずっと笑って前向きに生きていくのが目標

 

 

 今はいわゆる一人ケアマネですが、研修などで知り合ったたくさんのケアマネさんが協力してくれたり、色々と教えてくれたりするので、これからもそのつながりや情報共有は大切にしたいです。また、ヘルパーさんのところなどにもよく出かけて顔なじみになることも意識しています。そうするとチームとして協力しながら頑張っている姿勢を見せられるし、地域にも貢献できると思っているので。そのためにもどんどん外に出ていろいろな方と会い、協会や役員などもなるべく断らずに(笑)できることをやりつつ、自分の事業所のことを多くの方に知ってもらえれば嬉しいですね。
 そして、ケアマネの仕事をある程度まで頑張ったら、最終的には現場に戻りたいと考えています。今も併設のデイサービスのレクリエーションにときどき参加するんですが、そうするとリフレッシュできるんですよ。やはりケアマネの仕事は気が休まらないので、そこから開放されたいんでしょうね(笑)。
 もともと認知症の方と関わるのが好きなので、いつかはグループホームで働きたいという思いもずっとあるんです。認知症の方は陽気な方が多く、その醸し出す雰囲気に癒されますし、いろいろ提案したりみんなで考えたりするのが楽しくて。その提案がうまくいけば達成感も得られますし。
 そうやって一生懸命頑張りながら、一度きりの人生をずっと笑って過ごせればいいなと思っています。失敗や辛いことがあっても「これは学びだったんだ」「私だから乗り越えられたんだ!」と考え方をポジティブに切り替えて、前向きに生きていきたいですね。

 

所属先:さくら苑居宅介護支援事業所